◎太極拳全般について その昔、自分の身は自分で守る。自分の健康は自分で管理しなければ ならなかった時代。中国の人々は、長生きの動物を観察しその動きを真似、 数千年に渡って健身拳術を編み出しました。 それが「五禽戯」という、鶴、猿、熊、鹿、蛇の5つの動物の動きを取り入れた 健康体操として集大成されました。 「五禽戯」の種類はいくつかあり、取り入れられている動物の組み合わせも 少し異なりますが、共通しているのは、「呼吸と動作の一致」、とうことです。 武術の中にも「五禽戯」は取り入れられ、中国武術の一つ太極拳の中にも、 その動きは多くでてきます。 太極拳は、武術と同時に長生き健康法の一つとして、各地方、各一族に 独特の流派がうまれましたが、東洋医学と武術を併せ集大成されたのは、 「太極拳論」だと言われています。 太極拳の流派は、大きく5つあります。古い順に、陳式太極拳、楊式太極拳 呉式太極拳、武式太極拳、孫式太極拳、で各々その創始者の苗字を取って 呼ばれてきました。 ◎特徴 長江(揚子江)の流れの如く、動きは止まることなく続きます。 動作は軽く、柔らかく、円く、途切れることなく自然な呼吸で行います。 ◎歴史 楊 露禅(1799〜1872)を創始者とし、楊 澄甫によって 広まりました。現在世界的に広く愛好されている太極拳です。 ◎簡化太極拳について 1956年、中国国家体育委員会により伝統的な楊式太極拳を24の型に編成 されたもので、学びやすく太極拳の入門編として広く普及しています。 中国国家体育委員会により制定されたので、制定拳とも呼ばれます。 又、24の型で構成されているところから二十四式太極拳、 楊式太極拳を基礎に編集されたことから、楊式簡化太極拳24式 とも呼ばれています。 ◎太極剣32式について 1957年、中国国家体育運動委員会によって伝統的な楊式太極剣を32の型に編成 され、順を追って学び易く編集されています。 文人の武器と称される剣の要素を含んでいます。 ◎四十八式太極拳について 中国国家体育委員会によって構成された制定拳の一つで 陳、楊、呉、孫式、24式と新しく追加された動作を含んでいます。 1979年11月第一版の「四十八式太極拳」が出版されました。 ここでは、編集メンバーのお一人である北京体育大学教授、 門 恵豊、寧 震先生が1981年1月の「安徽省四十八太極拳訓練班」を基に 出版された「四十八式太極拳入門」を紹介しています。 |