≪名前の由来は≫
周易(「易経」の中の一つ)に現れる。
周易(「易経」)とは、中国古来の哲学書で、紀元前の「伏義」によって記された。
時と自然変化を体系づけたものでその中に「太極」 の文字が現れる。
「Book of Changes」とも訳されるように、宇宙の全ての万物は常に変化している、
という思想。
漫画易経(陰陽の誕生)
漫画易経(全編)
その後、清(1644-1911)の時代の武術家、「王 宗岳」の「太極拳論
(太極拳経とも呼ばれる)」(18世紀末)の中に、「太極拳」という言葉が
記され、一般的な言葉として広まったと言われている。
「王宗岳」の「太極拳論」
≪シンボルマーク≫
・太極図(陰陽太極図、陰陽魚とも言われる)
太極(宇宙)は陰陽のバランスで成り立っているとする図。
陰(黒い部分)陽(白い部分)
太極図
・八掛
天地自然を8つの要素(天、沢、火、雷、風、水、山、地)で表した図。
八掛
・太極八掛配合図
太極と八掛を合わせた図
≪太極拳の歴史≫
その歴史は古く約1,800年前とも言われるが、道教、医学、武術、気功、芸術の
要素を体系付けた「陳王廷」(1600年代)が、陳式太極拳がはじまりとされている。
但、「陳王廷」の前の伝説的な「陳ト」の存在もある。
また、「陳王廷」の元となった明代(1528)の「威 継光」の「拳経32勢」の
存在は大きい。
「戚 継光」の「拳経32勢」の目録
太極拳主要伝逓系統表
太極拳が伝わってきた流れが分かります。
≪新中国後の中国スポーツの変化と中国武術&小田≫
・新中国後の中国スポーツの変化と中国武術&小田年表
・新体育から見た中国スポーツの現代史
(教育ネットワークセンター年報 第8号)
≪太極拳の種類≫
・伝統太極拳:伝統的に各門派や地域に伝えられてきたもので
陳式・楊式・呉式・孫式・武式太極拳が一般的だが、
郭式・常式太極拳など多くの門派が全国に有る。
套路は長く100式を越えるものもある。
・制定太極拳:1956年に国家体育委員会が制定した太極拳
「簡化太極拳」楊式太極拳の動作を24の型にまとめたもの。
「88式太極拳」楊式太極拳の動作を88の型にまとめたもの。
「48式太極拳」四種の太極拳を合わせて48の型にまとめたもの。
・規定太極拳:1990年北京で行われた「アジア競技会」に合わせて作られた
以下の四式の国際規定太極拳。1988年中国武術研究院により編集。
各四式の特徴はこちら(四式太極拳競賽套路 中国武術研究院より) 表紙
「陳式規定太極拳」緩急のある動きが特徴。56式
「楊式規定太極拳」ゆったりとした動きが特徴。40式
「呉式規定太極拳」大きく伸びやか、前傾する動作が特徴。45式
「孫式規定太極拳」動作の開合・進退・転折が機敏なのが特徴。73式
「総合太極拳」48式太極拳をベースに作られた。42式
≪太極拳(中国武術)の近代化に貢献された門恵豊・桂香老師≫
「武術」2003年春号
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